スペーススリム開発秘話

2008年に販売を開始したスペーススリムシリーズ
屋外でも室内でもスペースに合わせて洗濯物を干すことができる便利なハンガーです。

スペーススリム

その名の通りのスリムな形状とアルミのボディが特徴的なこの商品はどのようにして生まれたのでしょうか?
開発のきっかけから販売に至るまでのお話をご紹介します。

【伸縮ハンガー編】

●開発のきっかけ

収納スペースに困る長い洗濯物が地面につく

  • 開発当時、世の中にある物干しハンガーはサイズが大きく、使用後の収納場所に困ることが多かったです。また、マンションのベランダでは外から洗濯物が見えないように物干し竿が低い位置にあることもあり、それによりシーツやバスタオルなど長い洗濯物を干したときに地面についてしまうこともありました。
  • 従来品では地面につく

キクロンで取り扱っていたハンガーもこのような一般的な形状でした

スペーススリム

●形状を考える

2つ折りではサイズが大きいピンチ同士が絡まってしまう

  • 従来の角ハンガーは2つ折りの四角い形状で、使用時には広げ、収納時には折りたたむのが基本でした。使用時には大きく広げることができ、収納時にはコンパクトにするためにどうすれば良いかを考えた結果、蛇腹を模した伸縮式のハンガーとなったのです。
    この形状にすることで、従来のハンガーでは開閉時にピンチ同士が絡んでしまうというイライラも解消することができました。
  • 従来品ではピンチが絡む<従来品>開閉時にピンチ同士が絡む

スペーススリムスペーススリムはピンチが絡まない!

コンパクトに収納収納もコンパクト!

また、従来品よりもピンチが高い位置にあるので、長い洗濯物も地面につかず干せます。
※物干し竿の高さや、洗濯物の長さによって地面につく場合がございます。

スペーススリム

●素材を探す

ストッパー機能を維持できる耐久性を

  • ハンガーを伸縮させる時に、カクッ! カクッ!っと、ストッパーが働くポイントがあります。これは風や振動で意図せずハンガーが伸縮しないようにするためで、スペーススリムの大きな特長の1つとなっています。ただ、このストッパーの部品は従来の樹脂では摩耗に耐えられず安易に壊れたため、適した素材を探すことにかなり苦労しました。材質や形状を試行錯誤しトライ&エラーを何度も繰り返すことで、最終的に自動車部品等に使用されている耐久性、耐摩耗に優れた樹脂(ポリアミドナイロン)にたどり着きました。
  • こだわりの部品

●製造へ

高品質を目指し、最後までこだわり抜くが…

耐久性を高める為に素材を追求し、快適な使用感を求めた結果、スペーススリム伸縮ハンガーの総パーツ数は300個を超えました。

スペーススリムのパーツ

●ここまで来て…

まさかの製造中止!?

スペーススリムの製造現場

スペーススリム伸縮ハンガーは300個を超えるパーツを組み立てる作業工程の難しさと、高品質の要求で製造現場ではロスが増加していました。ここで何と協力工場の社長から製作辞退の申し入れが、、、やっとここまで来たのにかなりショックでした…。
もちろん諦めることはできず「商品が完成すれば必ず売れるぜひこの商品を作りたい」という熱い気持ちを訴え、粘り強く社長を説得しました。複雑な作業工程に対しても、現場工員の技術力向上の施策を共同で考え実行することで、製造にご協力いただけるようになりました。

スペーススリムの製造現場
パラソルハンガー編

●開発のきっかけ

収納スペースに困るキャッチを開くのに意外と力が必要…

  • パラソルハンガーについても、収納に困るサイズの大きさが課題となっていました。また、多くの商品は柄についているグリップを握ることで、竿に引っ掛けるキャッチを開く構造になっていますが、キャッチを開くための握力が意外と必要で、力の弱い女性や握力の低下したお年寄りの方でも簡単に使用できる仕組みが必要と考えました。
  • パラソルハンガーのグリップ

●形状を考える

力の要らない仕組み + スリムな形状を

グリップを握ってキャッチを開くのではなく、キャッチ部分をフック型にしてパラソルハンガーの自重で固定させる事はできないか?と考えました。
それを実現させるために何度も何度も設計変更や、金型修正を行い、その都度試作を繰り返してキャッチ部分を完成させました。キャッチの内側2か所にエラストマー樹脂を貼り付けることで、風が吹いても竿にしっかりと固定できるようになりました。

かけるとロック

グリップを無くした事で、本体の太さも凡そ1/2まで縮小することができました!

スリムなパラソルハンガー
  • しかし、スリムな形状になったと同時に、従来の方法では土台にアーム取り付けられないという問題が発生しました。
    そこで、アームを土台に取り付けるために穴の空いた特殊な形状の部品を製作してアームに差し込み、穴の部分に錆び難い亜鉛合金のリングを通して取り付けるという方法で解決しました。(製法特許取得)
  • アーム取り付け部

●素材を探す

長く使っていただけるよう耐久性のある素材を

  • アーム両端部にある洗濯物の飛散防止のフックには樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン、スチロール)を使用しているのですが、紫外線による劣化が生じやすいという課題がありました。市場にある商品よりも耐久性に優れたものにしたいという想いから、家庭用品業界ではほぼ使用されていない工業品用樹脂(ポリアセタール)を採用しました。
  • アームのフック部分
スペーススリムシリーズの販売へ

商品の『良さ』を伝える

周りの商品に比べ高単価であるので販売へのハードルが高いと懸念されましたが、商品の特長(機能)をしっかりと説明することで、バイヤー様にはスペーススリムの良さが伝わり、売り場に並べていただくことができました。しかし、商品のパッケージでしか商品情報を得ることができないお客様に商品の良さを伝えることが難しく、大変苦戦しました。

  • そこで、定番棚はもちろんのこと、エンド企画、サイドネット企画でスペーススリムの特長を伝えるモニター(動画)を設置しました。商品の特長をお客様に分かりやすくしたことで、少しずつ評価を得られるようになりました。
  • 売り場画像

それから数年後、TV番組に取り上げていただいたことがきっかけで販売数が飛躍的に伸びました。この商品は他のハンガーに比べ高単価ではありますが、商品の良さを分かっていただければ売れる!ということが証明されました。やはり、お客様にどれだけ商品の良さを理解していただけるかが重要と感じました。

●さいごに

品質に自信あり

スペーススリムシリーズは考案から完成までに概ね4年の歳月を要しました。(素材一つにもこだわったので、この商品に合う樹脂を探すのに1年ほど時間がかかったこともあります。)商品の構造・素材選び・協力工場との交渉など苦労は絶えませんでしたが、その分、これまでにない高品質な商品ができたと自信を持って言えます。
使いやすさ、耐久性に優れた商品ですので長くご愛用いただけますと幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました

スペーススリムシリーズ ラインナップ

スペーススリムII 伸縮ハンガー30
(ピンチフック取り換え対応)

(収納サイズ:80 x 270 x 490 mm)

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スペーススリム II 伸縮ハンガー 14
(ピンチフック取り替え対応)

(収納サイズ:60×210×315 mm)

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スペーススリムⅡ 専用取替えピンチ5P
(サイズ:33×80×12 mm)

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スペーススリムⅡ DXアルミパラソルハンガー20
(収納サイズ:80×555×70 mm)

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